喜多方の水が美味しいわけ 

喜多方の水が美味しいわけ

厚生省の「おいしい水研究会」が調査したところ、次のような条件を満たした水がおいしい水であるということがわかりました。

おいしい水の水質要件と喜多方市の水道水水質(平成30年度)

熱塩浄水場は、平成30年度平均浄水を測定

水質項目 おいしい水の水質要件 熱塩浄水場浄水 摘要
蒸発残留物 30〜200mg/l 70mg/l 主にミネラルの含有量を示し、量が多いと苦み渋味等が増し、適度に含まれると、こくのあるまろやかな味がする。
硬度 10〜100mg/l 26mg/l

ミネラルの中で量的に多いカルシウム、マグネシウムの含有量を示し硬度の低い水はくせがなく、高いと好き嫌いが出る。

カルシウムに比べてマグネシウムの多い水は苦味を増す。

遊離炭酸 3〜30mg/l 2.7mg/l 水にさわやかな味を与えるが多いと刺激が強くなる。
過マンガン酸カリウム消費量 3mg/l以下 1.0mg/l 有機物量を示し、多いと渋味をつけ、多量に含むと塩素の消費量に影響して水の味を損なう。
臭気強度 3以下 0 水源の状況により、さまざまな臭いがつくと不快な味がする。
残留塩素 0.4mg/l以下 0.4mg/l 水にカルキ臭を与え、濃度が高いと水の味をまずくする。
水温 最高摂氏20度以下 摂氏11.9度 夏に水温が高くなると、あまりおいしくないと感じられる。冷やすことによりおいしく飲める。

美味しい水の条件

美味しい水の条件まず、おいしいとはどういうことかということですが、当然人によって感じ方に違いがあり主観的な問題になってきます。

さらに、味だけでなく健康面にも有益であるとよいでしょう。現在私たちが最もよく利用していると思われる水道水については、地域によってカルキ臭やカビ臭があり、おいしい水とは言えません。

また、井戸水は水道水のように加工されていません。いわゆる『なま水』です。

それゆえに、おいしいと言われることも多いのですが有害成分が混入していることもあり、危険です。厚生省のおいしい水研究会が示した条件は次のようなものです。


硬度

硬度とは水中にカルシウム、マグネシウムなどの成分を、どれくらい含んでいるかを示すものである。

飲み水に適量含まれるだけならば害にはならないが、分量が増すと苦味が生じておいしくなくなってくる。さらに多量含有していると、人によっては下痢をおこすこともあり、1リットル中300ミリグラム以上は法律上、飲料としては不適格とされている。1リットル中100ミリグラムを超えない程度が適当で、逆に全くカルシウムやマグネシウムを含まない水は、ミネラルとしての役割を果たせないため、健康面へのプラスにはならない。最適なのは1リットル中に20〜50ミリグラム。

遊離炭酸

空気中には炭酸ガスが含まれているが、それが水中にどれほど含まれているかということを示す。

炭酸ガスは水に溶けて炭酸を生じる。気体は水温が高いほど液体に溶けることができるが、水温の上昇により、水中から発散される。サイダー、ラムネのような清涼飲料には欠かせないもので、泡立ちを伴って口の中に清涼感を与える。普通の水にはサイダーのような顕著な作用はしないが、多少含まれていると口当たりもよく、さわやかさを感じ取れる。

水温が20度以下の条件で、1リットル中3〜10ミリグラムが最適。

残留塩素

水道水の場合、塩素消毒のため、残留塩素は避けられない。しかし、天然水にも自然環境から塩素分が入り込んでいる場合もある。

最近では水道水の原水の汚濁が増え、そのため滅菌に使われる塩素の使用量も増大し、水道水の残留塩素分が特に臭いとして強く感じられ、味覚にも悪影響を与えている。

水道法では水道水1リットル中0.1ミリグラム以上保持することが義務づけられている。これが0.5ミリグラム以上だと人は臭気を感じる。

過マンガン酸カリウム消費量

これは、水中に含まれる有機物の量を判定する指標となっている。この値が大きいと、それだけ水中に有機成分が多く溶け込んでいることを意味する。

有機物は自然現象や人為的流入もあり、健康上重要視すべき成分である。原理は過マンガン酸カリウムを水中に加えると、その成分が含んでいる酸素が有機物の分解のために作用するということ。水中に有機物が多量あるほど、酸素も多く消費されるので、この消費量から含まれる有機物の量がはかれるということ。

飲み水のおいしさとしては1リットル中3ミリグラム以下が望ましい。

水温

20度以下が望ましいが、夏は25〜6度でも冷たさを感じる。井戸水は年中ある一定の温度を保っていて、夏は冷たく、冬は温かく感じられる。

最もおいしいのは8〜14度と言われるが、その理由は体温より平均25度程度水温の低い水が最適とされているためと考えられる。

臭気

水に含まれている臭いとして塩素によるカルキ臭の他、塩素と反応して生じるフェノール類や、ミクロヘキシルアミンのような微量でも感じる有機物の臭い、原水を汚染していた藻類のアオコの臭いなどがある。

これらは味を悪くするだけでなく、成分によっては体を害することにつながる。